詩うたいの本棚

天賦留(てんぷる)です。真面目に自作の「詩」をひっそりと掲載しています。

自作の詩

No.33ーろうそく

細く短き 太き糸 スマートタイプの ミニタワー 命の炎 受け入れて 優しく映し 目を癒す 水屋棚奥 楽屋にて 日の目見るまで スタンバイ 後は家主の 記憶力 新入生は 御勘弁 私が灯す カンデラと 貴女が灯す カンデラの 数値はきっと 同じだと 期待値込みで 思…

No.32ー悲しき案内状

久々実家に着いていた 懐かしの顔パスポート 不安もあるが○を付け タイムスリップ乗り込んだ まさかのマドンナ同じ目線 「探したのよ」とすねられた なだめた後は笑いあう 僕はずーっと夢心地 「今度も君と話せるさ」 必ず会えると確信し 居場所も告げず去っ…

No.31ー中秋の名月 十五夜スーパームーン

晴天が持続したまま快夜を招き 満月にバトンを渡した今宵の十五夜ただただ夜空を見上げ ただただ煌(きらめき)を眺む君もしかしたら前世は月の兎なのか もしかしたら前世は天香佳花*1なのか鼻で笑われても仕方ない でも凝視し続ける君を見続けて 空想想像に想…

No.30ー鈴虫の駆け引き

誘う絶妙ビヴラート(ビブラート) 人の耳には心地好し 雄鈴虫は叫んでる 生死をかけたバトル中 「いい女いないかぁ~」 逆花魁で回ってる 祖から受け継ぐしきたりさ テノールで酔ったふり雌に 直球マッチョが飛びかかる 「彼、食べちゃいたいわ」 儀式を終…

No.29ー蝉への鎮魂歌

「本能のままに生を全うしたか」 「熱い想いをぶちまけたか」 「受け止めてもらえたか」 「いい奴はいたか」 「熱い想いを受け止めたか」 「遺伝子の進化を伝えたか」 数年後の夏進化した君達の子孫に会おう僕も少しは進化しているいや進化していると信じて…

No.28ー終戦記念日

8月15日 日本人として 永遠に語り継がねばならない日 遺伝子が叫んでる 遺伝子が訴える 「忘れるな」 と ようやく訪れた青空 ようやく訪れた終わり 戦士は多くの戦死を見送り 先史は多くの戦史を見届け 以前の青空戻ってきた 掴んだもので無けれども 「平穏…

No.27ー「戦わない」

「戦う」とは「誰かを傷つける」という事 「戦わない」とは「誰も傷つけない」という事 信じてる願ってる 「戦わない」世界を

No.26ー海

穏やかな波 心地よき音 透き通った蒼の鏡 寄り添う小さき魚 風が舞いゆらゆらと 長い髪浮遊した 黒い羽キラキラと 胸の鼓動ドキドキさ 唇から甘い台詞 砂が少し動き 純な瞳立体交差 瞼に網戸接近戦 海はただ沈黙で 僕等の行動立会人 様々な恋愛模様 見つめ見…

No.25ー向日葵娘

乾燥気味のお菓子雲 適度に現る笑顔の陽 暑い視線を肌に受け 向日葵娘は華満開 白から小麦少し黒 色んな刺激の結晶さ 風景画の一枚みたく 緑の中を駆けていく 涼風なびく細髪に 青色アゲハ羽根下ろす 自然体の彼女だから 安らぎつられいるのかな 生命体のエ…

No.24ー夏の夜に

体震わす鉄の箱 紅から黒へ窓の外 鉛の胴体リセットし 我が家目指して左脚(さきゃく)出す 少し暗めの田んぼ道 耳へと流れる四分音符 蛙奏でるハーモニー 「指揮者はどこだ?」 探せない 樹木根元に蝉の跡 日暮れまで飛び今は床 最後のひと華咲かすため 鋭気…

No.23ー七夕・天の川私伝

青天白日 空見上げ 天の川位置 確認す 太陽と雲 幕になり 星寄せ集め 準備中 七夕の頃 夏祭り 淡い浴衣が 煌めいた 同じ背丈の 人なれど 存在感差 幾光年 数年間は 年一で 遠目で夏華 眺めれど 空白の四季 経た後に 分身瞳と 共に会う 青天白日 空見上げ 天…

No.22ー梅雨の鼓動

声は要らぬ 天液の潤い 艶った君 眺む僕 互の鼓動 充分だ copyright 2015 tenpu-todomu .

No.21ー哀愁の未成線

「線路は続かぬどこまでも」 夢なき皮肉口にして 運命悟り未練断つ 繋がらなかった君住む街 建設予定の細道眺め 二人は将来 シンクロさせた 希望と開通 向かって進め バスが見えなくなっても思う 泡が弾けて白くなった 未来予定地 地図から消えた まるで関連…

No.20ー時の記念日に捧ぐ・のんきな目覚まし時計

カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ…… 傍目はきっちり時刻む ご主人少し天然だ 共存してきて似てきたか 日々時ずれてくのんき者 カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ…… ジリジリジリジリジリジリ…… 「朝はよろしく頼みます」 さすがに朝は仕事する 後はひた…

No.19ー紫陽花

空の雫が頬に触れ 君は程よく艶っぽい 派手さはなけど素敵だから 愛されてるさ 人々に 淡い紫陽花 刹那系 好みの配色 シアンブルー 「これだ」と君を見つけだし 時を忘れて和むなり 雨模様に出会った人と 薄紫陽花がクロスした 脳中枢のプログラム 姿残像埋…

No.18ー都会の木

「都会は建物や舗装道路ばかりで自然や木々が少ない」とよく人々は言う確かに都会は建物ばかり自然そして木々は少ないでも建物の隙間を縫って木々は存在しそして生きている但しそこでは木々各々の意思は存在しない行政という名の人間の意思によって木々は生…

No.17ー晴天に想いを寄せる人

晴天を見上げ想うのは 言葉交わしたあの人の事 今はどうしているのかと 感じた休日昼下がり 最初の出合い休日だった 僕は気付かなかったけど 実はそうだと知った時 空は綺麗な晴天だった 空から見れば日本なんて 地球のほんの一部分 日本の何処にいようとも …

No.16ー薄紅色の妖精

南風に乗りやってくる 薄紅色の妖精が 僕の前には いつだろう 君の前には いつですか いにしえ 現在 未来まで 導かれるね 優しさを 蕾 開花 そして舞う 舞台はいつも 華やかさ 出会いの時の 小道具に 薄紅妖精 よくいるね 家を離れて暮らす時 紅涙(くれない…

No.15ー野花(2011年3月11日へ)

君と偶然出会えた奇跡と 君と会えなくなってた軌跡と 反比例な断片を胸に 反比例な思い出を脳に いつでも思い出せるように 心のタンスに鍵をかけずに 君が好きだった野に咲く花と共に… copyright 2015 tenpu-todomu

No.14ー無念の嘆き

こんな時に限っての 携帯バイブに即反応 タイトルを見てこじ開けた 茫然自失の僕がいた アクシデントが幾度も 体と心蝕んだ 考え抜いた路ならば 何も言えぬが「悔しいよ」 人生の長い糸は しょっちゅう絡まるもの けれど決して 面倒だからと言って 引きちぎ…

No.13ー僕の相棒弁当箱

僕の日々の パートナー 鞄に財布 携帯電話 筆記用具の 片隅に でんと構える 君がいる 君と一緒に 乗り越える 通勤ラッシュの 障害を 右へ左へ 振られても でんと構える 君がいる 僕にとっての 舞台場は 君にとっての 舞台裏 暗闇でじっと 待っている 上手(か…

No.12ー人生の縮図

日記は人生の縮図です 日々の喜怒哀楽を連ね 時には一人笑い 時には一人泣き 時には感動を書き 時には悲劇を嘆く いつか振り返った時 昔の自分に声かける ブログは人生の縮図です 日々の喜怒哀楽を連ね 時には笑ってもらい 時には慰めてくれる 時には一緒に…

No.11ー洗濯機

♯ガタガタガタガタガッタガター(+_+) ♭(+_+) ズドン ガチャッ プスン …… (沈黙) ほんの数日前までは 元気にはしゃぎ出していた いつでも何度もへこたれず こぶしをきかせて回ってた だけど… 「天からお迎えが来たみたい」 君が来てから子も育ち 活動期間も長…

No.10ー憤り

誰だってかけがえのない 命を授かり 産まれてきた だからこそ 少しでも 少しでも長く 生きていたい 誰にも邪魔されずに だけど時には 悪魔が来て 明るい未来を 奪っていく 勿論 決して本人が 望んだ結末ではないさ そんな事件を耳にして 僕は 嘆く事しか出来…

No.9ー新成人へ

僕も昔は そうだった その頃よくは 解らなかった 大人になる という事が 大事な儀式 という事を 駆けずり回った 十代に きちんと別れ 告げるのさ そして 輝く未来に向けて 足跡 刻んで行くんだよ 僕は そうして生きてきた 先人も きっとそうでしょう その後 …

No.8ー忘れたくても忘れられない~1995年1月17日・阪神淡路大震災~

あの時までは 平穏無事で 楽しい日々が 続いてきた 背中に感じた 地響きが 多くの人を 変えてしまった 失ったものが 多すぎた 家 心 そして命 天国だった 場所さえも 一瞬にして 地獄となった 絶望だけしか 見えなくなって 世界を捨てた 人もいた 幸い僕の …

No.7ー粒子の襷リレー

僕は 地球からすれば 小さな小さな 粒子です 取るに足らない 存在さ 何処にでもいる 存在さ そんな僕は 先祖から 遺伝子の 襷リレーで この世に命 授かった 道を今でも 走ってる 時には 迷いこみながら 時には フラフラになりながら 粒子の灯 絶やさぬように…

No.6ー大掃除

真冬にしては 眩しい陽射し 少しほっこり 暖かい 窓の木漏れ日 背に浴びて 要らない物と 格闘中 気づけば何故か 溜まるもの 意味無く 置いてあるものが 少し進めば 見付かって いつしか 袋いっぱいに ふーっと上を 見上げると 埃がぽつぽつ 浮き出てた まと…

No.5ークリスマスの影

街がキラキラ ピーク時に ひたすら机に 向かってた とにかく春を 信じてた いや 信じるしかなかったんだ はしゃぐ人々 見る度に 寂しかったし 甘えたかった 葛藤を吐く 事出来ず 街を離れて 星で泣く 友は各々 忙しく 想いを寄せる 人も無く 信じる己の 可能…

No.4ー駄菓子屋

昔我が家の 近所には 小さな駄菓子屋 ありました 学び舎から出て 服着替え 脇目も振らず 一目散 色んな駄菓子が 小綺麗に ギューギュー詰めに 置いていた 僕が楽しみに してたのは 当たりくじ付き 長い棒 そう簡単には 当たらない 夢中を超えて 意地になり …