詩うたいの本棚

天賦留(てんぷる)です。真面目に自作の「詩」をひっそりと掲載しています。

No.18ー都会の木

「都会は建物や舗装道路ばかりで自然や木々が少ない」

とよく人々は言う

確かに都会は建物ばかり

自然

そして木々は少ない

でも建物の隙間を縫って

木々は存在し

そして生きている

但しそこでは木々各々の意思は存在しない

行政という名の

人間の意思によって木々は生かされ

生を長らえる

人間の意思によって

「剪定」

という名の散髪を施され

人間の見た目の良さに左右されながら

都会の木々は行き長らえる

そこに木々各々の意思は存在しない

ただ黙々と地に足を付けて

ただ地に日々根っこを這わせながら

人間から与えられた場所で要求を満たすだけの為に

都会の木々は行き長らえる



僕は思う

「都会の木々は無機質」
だと

僕は都会の木々で癒されない

むしろ時々涙する



「そこに自由はあるのかい」

無機質な木々の前

訳なく呟く人がいる





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