詩うたいの本棚

天賦留(てんぷる)です。真面目に自作の「詩」をひっそりと掲載しています。

No.24ー夏の夜に


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体震わす鉄の箱
紅から黒へ窓の外
鉛の胴体リセットし
我が家目指して左脚(さきゃく)出す



少し暗めの田んぼ道
耳へと流れる四分音符
蛙奏でるハーモニー
「指揮者はどこだ?」 探せない



樹木根元に蝉の跡
日暮れまで飛び今は床
最後のひと華咲かすため
鋭気充電ごゆるりと



夏の寝床は時計付き
合唱隊は他虫籍
蛍のイルミ子守唄
目覚まし時計は蝉時雨




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